人気深夜バラエティ番組「月曜から夜ふかし」が、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会で審議入りするという、驚きのニュースが飛び込んできました。
街頭インタビューでのユニークなやり取りが人気の番組に、一体何があったのでしょうか? 今回の問題点、番組の今後について、詳しく見ていきましょう。
「月曜から夜ふかし」ってどんな番組?
まず、「月曜から夜ふかし」を知らない方のために、簡単にご紹介します。
- 放送局・時間: 日本テレビ系列 毎週月曜 夜10時00分~11時00分
- 放送開始: 2012年
- MC: 村上信五(SUPER EIGHT)、マツコ・デラックス
- 番組内容:
- 世の中の「ちょっと気になること」や街行く人々の本音を、独自の視点で調査・紹介するバラエティ番組。
- 街頭インタビューで「個人的ニュース」「地元の面白いネタ」「珍しい名字」などを深掘り。
- 一般の方々のリアルで少しクセのある(でも憎めない)発言を、面白おかしく取り上げるのが特徴。
- 独特のナレーションやテロップ編集で、VTRの面白さをさらに引き立てている。
- 庶民的で少し変わった話題が多く、「肩ひじ張らずに楽しめる」番組。
- MC二人のユーモアあふれる掛け合いや、VTRへのツッコミも魅力。
- 番組から生まれた「フェフ姉さん」「桐谷さん」など、個性的な「街の有名人」も多数。
- 深夜番組ならではの自由な雰囲気と、少し毒っ気のあるユーモアが持ち味。
(番組公式サイト:https://www.ntv.co.jp/yofukashi/)
放送倫理・番組向上機構(BPO)とは?
今回、審議入りを決定したBPO(放送倫理・番組向上機構)とは、どのような組織なのでしょうか。
BPOの公式サイトによると、その目的は「放送界の自浄機能を確立し、視聴者に信頼される放送を維持すると共に、表現の自由を守ること」とされています。
(引用元:https://www.bpo.gr.jp/?page_id=799)
中でも「放送倫理検証委員会」は、視聴者から寄せられた意見や指摘をもとに、放送倫理上の問題が疑われる番組について調査・審議を行います。そして、必要に応じて放送局に対して意見や提言を公表し、放送事業者が自主的に倫理を守るよう促す役割を担っています。
詳しくはBPO公式サイトをご確認ください:https://www.bpo.gr.jp/?page_id=799
今回の「月曜から夜ふかし」何が問題になったのか?

では、具体的に「月曜から夜ふかし」の何が問題視されたのでしょうか?
BPOや報道によると、問題となったのは2025年3月24日放送分の一部です。番組内で、中国出身の女性に行ったインタビューの編集に問題がありました。
BPOなどによると、3月24日の番組で、女性が中国では飛んでいるカラスをあまり見かけないと日本語で語った言葉を、カラスをよく食べるという文脈で話したかのように放送した。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/18d081499a6f5f6be72d47aa3a89527ff60476ba
つまり、女性は単に「カラスを見かけない」という事実を述べただけなのに、番組側が「飛んでない → 食べられているからだ → 中国ではカラスを食べる」という意図的な“文脈操作”を行ったのではないか、ということです。
女性自身が「カラスを食べる文化がある」と明言したわけではないのに、編集によってそう見えるように“演出”した点が、事実と異なる印象を与え、「放送倫理に違反する疑いがある」とBPOに判断されたと考えられます。
(ちなみに、中国でカラスを食べる習慣が一般的に広く存在するかどうかについては、地域や個人差が大きく、一般的な食文化とは言えない可能性が高いようです。)
日本テレビ側の対応
この問題に対し、日本テレビは以下のようにコメントし、謝罪しています。
- 制作側の編集ミスにより、女性の発言の趣旨を歪めて放送してしまった。
- 全面的に責任を認め、謝罪する。
- 再発防止策を徹底する。
- インタビューに協力してくれた女性は善意の一般人であり、誹謗中傷や映像の拡散はやめてほしい。
編集の力と、私たち視聴者ができること

今回の件は、番組ファンとしても非常に残念です。テレビ番組、特にバラエティ番組における「編集」は、面白さを引き出す上で欠かせない要素ですが、その「力」は非常に大きいものです。
事実を捻じ曲げたり、意図しない方向に視聴者を誘導したりすることがないよう、制作側は細心の注意を払うべきです。その一線を越えてしまうと、今回のように大きな問題となり、番組や出演者、そして何より取材に協力してくれた方への信頼を損なうことになります。
私たち視聴者も、テレビから流れてくる情報を100%鵜呑みにするのではなく、
「あれ?今の言い方、ちょっと不自然かも」
「この流れ、少し強引な演出かな?」
と感じたときには、一度立ち止まって考えてみたり、他の情報源を調べてみたりする姿勢が大切なのかもしれません。
「月曜から夜ふかし」は打ち切り?今後の放送はどうなる?
結論から言うと、現時点で即打ち切りになる可能性は低いと考えられます。
ただし、BPOの審議結果によっては、一定期間の放送休止や、番組内容・制作体制の大幅な見直しといった措置が取られる可能性は否定できません。
過去にも、BPOから「放送倫理違反」の指摘を受けた番組が、完全な打ち切りではなく、以下のような形で存続した例があります。
- NHK「クローズアップ現代」やらせ問題(2015年): BPOが「重大な放送倫理違反」と認定。NHKは関係者の処分や制作体制の見直しを行った上で番組は継続。(参考:日本経済新聞)
- テレビ朝日「スーパーJチャンネル」虚偽演出(2019年): BPOから「放送倫理違反」の意見が出され、テレビ朝日は謝罪し、担当部署のスタッフ処分や再発防止策の強化を行った。(参考:サンスポ)
今回のケースも、BPOの判断を待つ必要がありますが、番組の存続に向けて何らかの改善策が講じられる可能性が高いと予想されます。
まとめ:信頼回復に向けて

日本テレビは「直ちに今回の事実関係及び原因の確認を行うとともに、改めて番組制作のプロセスを徹底的に見直し、再発防止に努めてまいります」と表明しています。
言葉だけでなく、具体的な行動で信頼を回復していくことが求められます。
今回の件は非常に残念ですが、「月曜から夜ふかし」という番組自体や、マツコさん、村上さん、そして個性豊かな一般出演者の方々のファンであることに変わりはありません。
番組が今回の問題を真摯に受け止め、より良い形で放送を続けてくれることを、一視聴者として見守り、応援したいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント