【体験談】アルバイト・パート先が突然の休業!休業手当は?有給休暇の扱いはどうなる?

生活のヒント

先日、パート先の店長から突然の連絡がありました。

店長
店長

今、ビル全体の水道が故障しており、復旧には2日かかる見込みです。
水道管が古くなって破損したようで、申し訳ないのですが、今日と明日はお休みしてください。

予期せぬ休業に戸惑いつつも、了承しました。

ところが翌日、再び店長から連絡が。

店長
店長

本日、他店が人手不足で困っているのですが、そちらのシフトに入れますか?
有給休暇が少ない方から、声をかけています。

mitsuru
mitsuru

シフトの件、申し訳ありませんが都合がつかないため、お断りさせてください。
ところで、有給休暇が少ない人から声がけしているということは、有給休暇を使うことが前提だったのでしょうか?
できれば、有給休暇は使いたくないのですが。

店長
店長

いえ、そうではありません。ただ、有給休暇がたくさん残っている方よりも、少ない方の方が使いにくいかと思い、配慮したつもりです。

mitsuru
mitsuru

(…配慮?)

突然の休業、そして有給休暇の残数に基づいたヘルプ要請。
「休業中の賃金はどうなるんだろう?」「有給の残数で対応が変わるっておかしくない?」と疑問がわきました。

そこで今回は、私と同じような経験をした方のために、アルバイト・パート先が休業になった場合の賃金(休業手当)や、有給休暇の扱いについて調べたことをまとめました。

アルバイト・パート先が休業になったら?気になるお給料のこと

まず一番気になるのが、休業中のお給料ですよね。
今回の私のように、お店の都合(ビル設備の故障含む)で働くことができなくなった場合、お給料はどうなるのでしょうか?

労働基準法という法律には、 「使用者の責に帰すべき事由による休業」 の場合、会社(使用者)は従業員(労働者)に対し、 休業期間中の平均賃金の6割以上の「休業手当」 を支払わなければならない、と定められています(労働基準法第26条)。

  • 「使用者の責に帰すべき事由」 とは、簡単に言うと「会社側の都合や責任」による休業のことです。
  • 休業手当 は、平均賃金の最低6割を支払う義務がある、ということです。

今回の店長からの連絡では、「お休みしてください」とは言われましたが、賃金についての説明はありませんでした。
後々のトラブルを防ぐためにも、 休業中の賃金(休業手当)がどうなるのか、はっきりと確認しておくことが大切 です。

参考情報

休業手当は必ずもらえる? 「お店の都合」ってどんな場合?

労働基準法第26条にある「使用者の責に帰すべき事由」、つまり「お店の都合」とは、具体的にどのようなケースを指すのでしょうか。

今回のケース(ビル全体の水道管故障)は、お店の管理下にある設備の故障ではないため、「お店の都合」に当たるかどうか、判断が難しい場合があります。

「お店の都合」に該当する可能性が高いケース

  • 経営難による一時帰休
  • 機械の故障や原材料不足(お店側で予見・防止できた場合)
  • お店側の不手際による設備の故障 など

「お店の都合」に該当しない可能性のあるケース

  • 天災地変などの不可抗力による休業:
    地震や台風などで事業継続が不可能になった場合など。
  • お店の管理外の要因による休業:
    今回のような、入居しているビルの共有設備の故障で、お店側に管理責任がない場合。
    ただし、お店がビルの管理会社に必要なメンテナンスを依頼していなかったなど、お店側にも何らかの責任(過失)があると判断されれば、「お店の都合」と見なされる可能性もあります。

このように、休業の理由によって休業手当の支払い義務が発生するかどうかが変わってきます。

参考情報

休業手当の使用者の責に帰すべき事由とは|わかりやすく解説!|医療経営コンサルティング:
https://okayama-consulting.net/leave-allowance2/

休業手当について確認・相談する方法

休業手当が支払われるのかどうか、疑問に思った場合は、以下のステップで確認してみましょう。

  • 事実関係を記録する
  • 休業の指示があった日時、理由、期間などをメモやメールなどで記録に残しておきましょう。
  • シフト表や給与明細など、普段の勤務状況や賃金がわかるものも保管しておくと良いでしょう。
  1. お店に確認する
  • まずは店長や責任者に、休業中の賃金の扱いについて確認しましょう。
  • その際、「労働基準法第26条では休業手当の定めがありますが、今回のケースではどうなりますか?」のように、具体的に質問すると良いかもしれません。
  1. 専門機関に相談する
  • お店との話し合いで解決しない場合や、説明に納得できない場合は、労働基準監督署や、厚生労働省が開設している「労働条件相談ほっとライン」などの専門機関に相談してみましょう。
    無料で相談に乗ってもらえます。

相談窓口の例

  • 労働条件相談ほっとライン: 電話番号 0120-811-610
  • 全国の労働基準監督署の所在地: 厚生労働省ウェブサイトなどで確認できます。
mitsuru
mitsuru

たとえ短期間の休業であっても、働く権利として認められている賃金について確認することは大切です。
疑問に思ったことは、遠慮せずに確認・相談することをおすすめします。

休業中のヘルプ要請と有給休暇の扱いについて

さて、今回の私のケースでは、休業中に他店へのヘルプを依頼されました。
その際、店長は「有給休暇が少ない方から声をかけている」と言いました。

店長の言葉の真意は分かりませんが(「配慮」とのことでしたが…)、この「有給休暇の残数によって声をかける順番を変える」というやり方には、いくつか問題があると考えられます。

なぜ?有給休暇の残数でヘルプを頼むことの問題点

  • 有給休暇を取得する権利を妨げる可能性
  • 労働基準法第39条では、労働者に年次有給休暇を取得する権利が保障されています。
  • 有給休暇の残数が多いか少ないかで、ヘルプ要請の順番を変えたり、暗に特定の従業員に出勤を促したりすることは、従業員が自由に有給休暇を取得することをためらわせる(=取得を抑制する)行為につながる可能性があります。
  • 特に、有給休暇が少ない従業員に対し、「休業で収入が減るだろうから」といった理由で代替出勤を半ば強いるような形になれば、問題はより大きくなります。
  1. 従業員間の不公平感を生む可能性
  • 有給休暇が少ない従業員の視点:

有給を使いたくない(使えない)状況を利用して、シフトに入るように言われているのでは?

「配慮」という言葉が、お店の都合の良い解釈に聞こえてしまう可能性もあります。
お店への不信感につながるかもしれません。

  • 有給休暇が多い従業員の視点:

本当は休業ではなく働きたかったのに、有給が多いというだけで声がかからなかった。

「有給を使わずに済んだかもしれないのに」と感じ、不公平感を抱く可能性があります。

このように、本来業務とは関係のない「有給休暇の残日数」という基準で対応を変えることは、従業員間に不公平感を生み、職場の雰囲気を悪くしてしまう恐れがあります。

参考情報

年次有給休暇とはどのような制度ですか。パートタイム労働者でも有給があると聞きましたが、本当ですか。|厚生労働省:
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/faq_kijyungyosei06.html

より良いコミュニケーションのために

では、今回のような場合、店長はどのように声をかけるのが適切だったのでしょうか。

最も誤解が少なく、問題になりにくいのは、 有給休暇の残数には一切触れずに、「他店で人手が不足しているので、協力していただける方はいませんか?」と、全員に公平に呼びかける ことだったのではないかと思います。

mitsuru
mitsuru

なぜ店長が有給休暇の話を持ち出したのか…その意図は分かりませんが、コミュニケーションの方法一つで、受け取る側の気持ちは大きく変わるものだと改めて感じました。

まとめ

今回は、アルバイト・パート先の突然の休業と、それに伴う休業手当や有給休暇の扱いに関する体験談、そして調べた情報についてまとめました。

  • お店都合の休業の場合、平均賃金の6割以上の休業手当が支払われる義務がある(労働基準法第26条)。
  • 休業の理由によっては、休業手当の支払い対象外となるケースもあるため、確認が必要。
  • 有給休暇の残数によって、代替シフトの要請などを変えることは、権利侵害や不公平感につながる可能性がある。
  • 疑問点はまずお店に確認し、解決しない場合は労働基準監督署などに相談する。

正直なところ、今回の出来事を通して、今の職場で働き続けることに少し迷いも生じています💧
実は以前にもこんなことが…

ですが、この経験が、同じようにパートやアルバイトで働く方の何かの参考になれば幸いです。
自分の権利について知り、疑問があれば声を上げることは、より良い労働環境につながる一歩だと信じています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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